お湯の温度でお茶の味はずいぶん変わります!
試しに100℃で淹れたお茶と、
60℃でいれたお茶を比べてみて下さい。
その違いにビックリされると思います。
一般的にお茶の淹れ方は、
「高級茶ほど、冷ましたお湯でじっくりと。
柳茶・番茶・ほうじ茶等は熱いお湯でサッと淹れましょう。」と言われています。
じつはこの淹れ方、日本茶の代表的な味成分である、
アミノ酸とタンニン(カテキン類)の特性を上手に利用した方法なのです。
お茶には、多くの味成分、香り成分が含まれていて、
そのバランスでお茶の味が決まります。
中でも代表的な味成分が、うま味やあまみの成分であるアミノ酸と、
苦渋味の成分であるタンニン(カテキン類)です。
アミノ酸は低い温度で溶けやすいのに対し、
タンニン(カテキン類)は比較的高い温度で溶けやすい特性があります。
中でも、苦みが強く含有量も多いエピガロカテキンガレートは、
特に高温で溶けやすい成分です。
つまり、お湯の温度が高いほど、
タンニン(カテキン類)が多く溶け出し、苦渋味が強くなるのです。
また、上級茶と、柳茶・番茶・ほうじ茶等では、
それぞれの味成分の含有比率が大きく違います。
上級茶はアミノ酸を、柳茶・番茶・ほうじ茶等の数倍の量を含んでおり、
ぬるめのお湯で、ゆっくりとアミノ酸のうま味を引き出すように、
淹れるのが良いとされています。
一方、柳茶・番茶・ほうじ茶等は本来アミノ酸をあまり含んでいません。
したがって、熱いお湯で一気に淹れることによって、香りを引き出すと共に、
カテキンのさわやかな苦渋味を楽しむ入れ方が一般的なのです。
お湯の温度でお茶の味はずいぶん変わります。
試しに100℃で淹れたお茶と、60℃でいれたお茶を較べてみて下さい。
その違いにビックリされると思います。
お茶の淹れ方、その理由は知って頂きたいのですが、
一般的な“おいしいお茶の淹れ方”に固執するのではなく、
自分の好みや用途に合った“おいしいお茶の淹れ方”を見つけて、
お茶をよりいっそう楽しんで頂けたらと思います。
僕は家でお茶を飲むときに、上級茶でも柳茶・番茶・ほうじ茶等でも、
ぬるめのお湯で淹れて、ガブガブ飲むのが好きです。
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